初期点検の重要性

何気なくお任せで購入した自転車。「高いお金を払って買った新車だから、よほどの事がない限り壊れはしないでしょう。」とお考えの方がいらしたなら、「それは間違いです。」と断言できます。

納車の時の状態の自転車はまだ未完成と考えたほうがよさそうです。なぜなら、「慣らし」ができていないからです。適正のトルクで組上げられた自転車ではありますが、使用によって受ける振動とか衝撃になじんではいないのです。ワイヤーが伸びるのは当然ですし、ボルトが緩むことがあったとしてもおかしくはないのです。そのように思ってもらったほうが良いと思います。

自転車は機能部品が剥き出しになっている、いたってデリケートな道具です。荒い使い方をしたならば、たちどころに壊れてしまうでしょう。そんな認識を持つ必要があるのです。

まずワイヤーが必ずといって良いほど伸びます。

ブレーキ、シフト共にワイヤーは細いスティール鋼、またはステンレス鋼でできていてそれらを糸を撚る(よる)ようにして一本のワイヤーとしています。ですからそれに力が加わると当然伸びてきます。

ワイヤーが伸びると、ブレーキがあまくなったり、シフトの調整がずれてきてチェーンとギアの噛み合わせが悪くなり「ガチャ、ガチャ」といった音が出るようになるのです。どんな高級な自転車であってもこのような調整のズレはでてきます。

また、たまにではありますが、締め付けているボルトが緩む場合もあります。ボルトの緩みについては精度の悪さが考えられるので、廉価な自転車に多く見かけることができます。

その他にも、実際に使用することでダメージを受けた自転車に不具合が起きることは珍しくない事でもあります。

それらの不具合をほったらかしにすると、深刻な事態にまで至る場合があります。ですから、それらの不具合が深刻な事態にまで至らないように、初期点検をする必要があるのです。

まずは、購入したお店にて自転車の使い方から始まって乗り方、メンテナンスの仕方まで詳しく説明を受けるべきだと思います。その上で初期点検を受けてください。おかしな点があったならば何度でもお店に足を運んで診て貰うべきです。